森ヶ崎水再生センター見学

都会の河川と下水道は密接な関係がある。
また、下水を処理する水再生センターと河川も密接である。
呑川・渋谷川・目黒川に流れている水は
水再生センターで高度処理した再生水が9割を占めている。
多摩川のような大河川ですら「5割が再生水」とのこと。

そんな水再生をしている施設の1つである
「森ヶ崎水再生センター」を見学してきた(予約制1名も可)。
東京都の4人に1人の流した汚水はここで処理されている。

jyousui-saikin.jpg
水の再生には、「有機物を食べる微生物」が欠かせない。
その微生物は肉眼ではほとんど確認できないのだが、
多量に集まると、「土」のような感じである
(シリンダーの中の土状のモノが微生物)。
この微生物に酸素を吹き込むことで活性化をさせている。

morigasaki-battsukisou.jpg
これが、その微生物で処理をおこなっている曝気装置の山。
無数の曝気槽が並んでいる。これを「反応槽」と呼んでいる。

morigasaki-battsukinozu.jpg
これが反応槽の中を説明するための施設。
反応槽の中では、このように曝気が多量におこなわれている。
水再生センターで使われている電力の半分は、
微生物を培養し、生かして活かすために使われているそうだ。

嫌気処理もすることで、窒素やリンを還元処理もしているが、
窒素・リン処理に関して、漁業者からは懐疑的意見もあるとか。
多少の窒素・リンは水産物の栄養になるためである
(たくさんありすぎる赤潮などの原因になる)。

下水に化学物質が多量に混入した場合や大雨の際には
反応槽の中に下水を通さずに、ゴミの沈殿処理などを経て、
消毒のみをして河川に流されているそうだ。
化学物質によって反応槽内の微生物が死んでしまったり、
大雨の際の大量の下水で微生物が流されてしまうからとの事。

morigasaki-daini.jpg
これは、第二沈殿池。反応槽で有機物を食べた微生物の塊を
ここで分離するための池。水の匂いは目黒川開渠最上流部で
感じられるものと同じである。水の上澄みを流している。

morigasaki-kounoudo.jpg
濾過による高度処理をおこなっている池。
ここまで流れてきた窒素・リン・微生物を濾しとっている装置。
ここを通ると「高度再生水」の完成である。

morigasaki-suiryoku.jpg
再生水をいよいよ河川に流すのだが、その前に一部水を使い、
その水流の勢いを使ってタービンを回す「小水力発電」を
おこなっている。一基で300世帯以上の電気をおこしている
(同じものがもう一基ある。発電された電気は売電されている)。
また、活性汚泥から発生したメタンを利用したバイオマス発電も
おこなわれており、この電気は施設内で使われているそうだ。

morigasaki-higata.jpg
森ヶ崎水再生センターで再生された水は、海老取川に放出。
海老取川は多摩川から分流された一級河川であるが、
事実上は埋め立て地と元からの土地の間に横たわっている
運河である。放出口の近くには多くの魚が集まるそうで、
シーバスルアーフィッシングの名所となっている。
また、川の中ほどには干潟ができており、鳥の楽園である。
干潟にはゴカイなどの微生物が多く住んでおり、
水の浄化に役立っている自然のシステムでもある。

morigasaki-bioto-pu.jpg
施設内には「ビオトープ」も作られている。
この池も再生水を利用しているとのこと。トンボがたくさんいる。

通常時の下水処理は現在の最新技術で
最善の策がとられていると思った。願わくば、大雨の際にも
きちんと微生物処理ができるシステムができる事を願いたい。
また、ここで処理された再生水を「内川に導水」できないか。
一番近い所で1.2km程しか離れていないのだから、
導水管を作ることは可能だと思われる。
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YKK

Author:YKK
東京や神奈川の川や暗渠を歩くことに楽しみを感じ、ネットで「川探索」を趣味としている諸先輩方のサイトを見て参考にし、2010年頃から歩き始めました。実際に歩いてみると、違った面も多く見えてくるもの。拙者なりの視点でまとめてみたいと思ったものを記事していきます。東京23区南部在住なので、その近隣もしくは川崎市・横浜市がほとんどとなります。ちなみに「山はなくても川はある」というのは、長野県上田市の市民祭り「上田わっしょい」の歌の冒頭「♪山があるから川がある」のパロディーです。23区に山といえる山はないですが、川はたくさんあります。ちなみに、上田市出身者に仲の良い人はいますが、拙者個人は上田市とは縁がないです^^; 拙者の特徴を書きますと、平熱なのに体温が37度近くもあります。ゆえに、寝るときはノーパン(ノーパン健康法)で、冬でもTシャツが多いです。さらにはカレーばかり食べています。1週間食べないと体調が悪くなります(?)。動物だとアザラシに似ているらしい。でもって、自然を愛好しており脱原発派。でも、中道右派の保守系で、天皇陛下は男系しか認めない。川歩き以外の代表的な趣味はスノーボード・歴史探訪・城探索・悪ふざけ(?)・ボウリング・パークゴルフ(パークボール)・旅行。嫌煙者で、飲酒も年数回程度。ギャンブルも数年に一回程度。

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